- 投稿 2018/10/13
- コリドラス
コリドラスが卵を産むと、今度は孵化から稚魚の飼育が楽しみになってきます。
ここでは、孵化水槽で稚魚を少し大きくするまでの事や、稚魚にはどのような餌を与えるか、餌を与え始める時期、成長経過などを書いています。
Co.デュプリカレウスの稚魚、体長約11mm
◎孵化水槽についてVol.2
コリドラスの繁殖編VOL.1(繁殖全般の知識)のページ下の方の「孵化用の水槽設備とは」で書いた、孵化してからそのまま少し大きくなるまで飼育する場合の水槽と、孵化のみを目的とする水槽では、根本的に設備を変えなければなりません。
◎孵化のみを目的とする水槽
水槽にエアレーションとカルキ抜きをしていない水道水(水カビ予防、エアレーションをしていれば1~2日程度でカルキは抜けます)を入れて、ヒーターと温度計を入れ親水槽と同じ位の温度にして、水槽の壁面に卵を貼り付ければいいですが、使用できるのは、孵化してヨークサックがあり餌を食べ始める前までしか使用できません。
餌を与え始めると、残り餌やフンなどが水槽中に残り、水が腐敗する可能性が高まりますので、それまでに稚魚育成水槽を立ち上げておかなければなりませんが、ごく少数の稚魚であれば、その水槽にろ過装置を設置稼動してやれば、不可能ではありません。
餌を与え始めたら、目立つ残り餌やフンなどは、毎日1回以上大きいスポイトで吸い出し、1/4~1/3程度の換水やフィルターのメンテナンスを行いましょう。
◎孵化水槽でそのまま少し大きくなるまで飼育する水槽
私の孵化水槽は、少し大きくなるまでその水槽で飼育しますので、水槽を立ち上げてなければいけませんが、すぐにすぐ立ち上がるものではないので、卵を産みそうなコリドラスがいる場合、普段から水槽を立ち上げて、回しておくと慌てないで済みます。
完全に近い状態にするには、概要的には勉強の為下記リンクを参考にしてください。
パイロットフィッシュなしで水槽を立ち上げる方法Vol.1セット編
実際のところでは、底砂の無いベアタンクで、下記の方法で行います。
一番簡単な方法は、親水槽の水又は、調子のいい水槽の水のみを使用し濾過装置を設置し、孵化する稚魚が少なめであり残り餌やフンを放置しなければ、ほぼ大丈夫です。
17cmキューブ水槽に、外掛けろ過(稚魚吸い込み防止に、吸い込み口にスポンジカバー取り付け)やスポンジフィルターとヒーターと温度計とエアレーションを設置しています。
餌を与え始めたら、目立つ残り餌や糞などは、毎日大きいスポイトで吸い出し、2~3日に1回1/4~1/3程度の換水やフィルターのメンテナンスを行いましょう。
外掛けフィルターは、ろ過能力は低いですが、飼育魚の量(飼育魚の数X大きさ)が少ければ、この程度のろ過で大丈夫と思います。
外掛けフィルターの水流は弱めにしておかないと、卵の状態であれば剥がれたり、稚魚であれば水流に流されることもあります。
飼育魚の量が多ければ、外掛けフィルターのろ過の負担を減らすため、スポンジフィルターで物理ろ過をすることで、残り餌やフンを吸い取る補助のため使用しています。
ろ過の事をしりたければ、下記リンクを参考にしてください。
私の場合、普段から孵化水槽を立ち上げたものをろ過を回しながら、有機物(主に冷凍ミジンコや顆粒状の餌)を時々投入していましたが、何年も飼育しているとコリドラスも増え、卵を産んだからといって珍しくもなくなり、めったに産卵しないコリドラスを除き放置するようになったので、途中から常時孵化水槽を立ち上げて回しておくのはやめました。
その放置した卵がどうなるかは、下記リンクをご覧ください。
稚魚が小さいうちは掃除が楽な、底砂を敷かないベアタンクにしておきましょう。
孵化水槽のろ過器は、外掛けろ過やスポンジフィルターが物理ろ過と、若干の生物ろ過が可能で、孵化してから稚魚が吸い込まれないので安心できます。
外掛けろ過には、吸い込み口にスポンジカバーを取り付けましょう。
・外掛けろ過
テトラ オートワンタッチフィルター AT-20 ~30cm水槽用外掛式フィルター
(画像をクリック、スマホはタップすると詳しい情報や購入もできます)
・スポンジフィルター
テトラ ブリラントフィルター
(画像をクリック、スマホはタップすると詳しい情報や購入もできます)
◎有精卵と無精卵の簡単な見分け方
白っぽいものは、無精卵の可能性が高く、飴色っぽいものは、有精卵の可能性が高い。
写真は、Co.デュプリカレウスの卵
但し、アルビノ種の場合、有精卵も無精卵も白いので、分かりにくい。
孵化したばかりの、Co.アエネウス・アルビノの稚魚数十匹
◎ヨークサックがある間は、餌を与えない
孵化後5~6時間のCo.デュプリカレウスの稚魚ですが、この時期は餌を食べませんので、餌を与えると水質悪化に繋がりますので、餌を与えないようにしましょう。
この下4番目の写真は、孵化後3日程ですが、腹の部分に黄色っぽいヨークサックが残っています。
このヨークサックがなくなると餌を食べ始めますので、孵化したらなるべく早めに餌を準備しておきましょう。
孵化後5~6時間のCo.デュプリカレウスの稚魚
孵化して半日後のCo.デュプリカレウスの稚魚、孵化後5~6時間とほとんど変化なし。
孵化後2日経ちヨークサックが少し小さくなり模様が出始めた。
孵化後3日経ちヨークサックがかなり小さくなったので、そろそろ稚魚用の餌を与えて少し時間をおき、食べるようであれば1日2回程度少量を与えるが、食べないようであれば、大きいスポイトなどで吸出し餌を残さないようにしましょう。
餌が残ると、水質悪化に繋がります。
翌日に、また餌を与えてみて食べるかどうか観察して、食べるようになるまで上記を繰り返します。
◎稚魚の餌
コリドラスの稚魚の餌として、栄養価が高くよく食べるのは、ブラインシュリンプですが、卵の状態ですので孵化させるためには、ブラインシュリンプエッグを塩水でエアレーションして孵化させます。
ブラインシュリンプは小さいですが、孵化すると動いていますので、分かります。
その為には、ハッチャーというが器具が必要で、水温によりますが、孵化まで約1日掛かります。
孵化したら、目の細かい茶こしなどの網で、塩水をこして塩水を捨て、別容器に水槽の水とブラインシュリンプを入れ、スポイトで与えます。
稚魚の内に栄養価の高い餌を食べさせると、大きく育ちやすいのでお勧めです。
ブラインシュリンプが余ったら、稚魚以外にも他の小型魚やコリドラスの親も喜んで食べますので与えてみてください。
写真は水槽の右上に、ブラインシュリンプ孵化器 ハッチャーを取り付けています。
・ブラインシュリンプの孵化に必要な物が揃った、ブラインシュリンプの卵、孵化器、エアーポンプ、塩のセットです。
ブラインシュリンプは、産地によって孵化率が違います。
昔から、ソルトレイク産が孵化率がいいとされています。
日本動物薬品 ニチドウ ブラインシュリンプ孵化器セット 約40回分 ハッチャー24+ノンノイズ+卵+塩
(画像をクリック、スマホはタップすると詳しい情報や購入もできます。組み立て方から孵化のさせ方まで動画で解説してあります)
・冷凍ブラインシュリンプベビー
目の細かい茶こしなどの網に入れ、流水で解凍し水と一緒にスポイトで与えます。
冷凍★キョーリン ベビー クリーンベビーブラインシュリンプ
(画像をクリック、スマホはタップすると詳しい情報や購入もできます)
・アルテミア
一番簡単に与えることができます。
稚魚用の餌として、ブラインシュリンプエッグの殻をむいてあり乾燥状態の餌です。
これも栄養価が高く、小さな容器に入れ水に浸し沈むようになってから、水と一緒にスポイトで手軽に与えられます。
与える時は、なるべく散らばらないように、コリドラスの稚魚がいる場所(底の方)へそっと与えましょう。
日本動物薬品 殻無ブラインシュリンプ アルテミア 100(25g)
(画像をクリック、スマホはタップすると詳しい情報や購入もできます)
◎ヨークサックがなくなり餌を食べ始めたら
コリドラスは種類によりますが孵化後、大体4~7日位で餌を食べ始めます。
・餌を与え始めたら、残り餌や糞などの有機物を吸い取る時やブラインシュリンプ、ミジンコ、赤虫などを与える時にも便利なスポイト
GEX おそうじラクラク クリーナースポイト
(画像をクリック、スマホはタップすると詳しい情報や購入もできます)
Co.デュプリカレウスの稚魚
孵化後7日の稚魚、餌を食べてお腹のヨークサックがあった所が餌の色になっている。
この時の餌は上記で紹介した、殻無ブラインシュリンプ アルテミアです。
孵化後9日の稚魚、お腹いっぱいです。
孵化後11日の稚魚、ヒゲも生え始め少しコリドラスの形になってきた約1cmに成長。
孵化後14日の稚魚、体長約11mmに成長。
孵化後16日の稚魚、黒い斑点が薄くなってきた。
これ位まで成長すれば、同時期に産まれた稚魚だけなら同じ育成水槽に移しても問題ないが、大きさが違う稚魚が育成水槽にいる場合は、大きい方が強く後から入れたり小さい稚魚は、餌をあまり食べられない事があるので、万全を期すにはもう少し大きくなるのを待つか、別の育成水槽に移す方がいいと思います。
別の育成水槽を立ち上げる場合は、あらかじめ準備が必要です。
Co.アエネウス・アルビノの親がどんどん産卵して孵化水槽が過密状態になったため、1cm位の時に水槽の事情で、育成水槽へ先に生まれた稚魚を移したこともありますが、別に問題は起こりませんでした。
孵化後21日の稚魚、体長約14mmコリドラスらしい形になってきた。
冷凍ミジンコも食べ始めた。
コリドラスの飼育や繁殖や稚魚の育成などについては、
コリドラス カテゴリーをご覧ください。