- 投稿 2017/08/18
- アクアリウムでの裏技・テクニック
比較的水質に敏感な、レッドビーシュリンブ水槽を、パイロットフィッシュを入れないで、立ち上げました。
ここでは、パイロットフィッシュとはなにか、水槽立ち上げ時の注意、水槽のセット、パイロットフィッシュを入れずに水槽を立ち上げるには、セット時の水槽環境などを書いています。
一般的に、水槽を新規に立ち上げる場合、パイロットフィッシュを水槽に入れ、餌を与える事で糞や残り餌が有機物であり、硝化バクテリアの繁殖を促します。
パイロットフィッシュを入れずに、水槽を立ち上げるためには、それに変わる有機物を水槽中に入れなければなりません。
(パイロットフィッシュなしで水槽を立ち上げ後、10ヶ月経過)
昔からの方法は、死んだ飼育魚などを水槽の底砂に入れ、硝化バクテリアを増やす方法がとられていました。
これは、病気などのリスクを伴う事がありますので、お勧めはしません。
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◎水槽立ち上げ時の注意 ! !
立ち上げすぐのバクテリアがいない水槽に多くの魚を入れると、餌やフン等の有機物から毒性の高いアンモニアや亜硝酸塩が一気に増えるので、弱っている魚達から☆になってしまいます。
アンモニア、亜硝酸塩共に、魚達にとっては毒であり、換水で対処する必要があります。
パイロットフィッシュを入れての立ち上げでも、アンモニアや亜硝酸塩が上がる前に度々換水していれば、問題は起きにくい。
パイロットフィッシュを☆にしたくなければ、換水が大変でもあります。
バクテリアを理解せず、水槽立ち上げ時に魚を沢山入れると、大量死につながります。
バクテリアが有機物をアンモニア→亜硝酸塩→硝酸塩に替えて行く過程での、アンモニアや亜硝酸塩が毒性が強いため、注意が必要です。
パイロットフィッシュを入れないで水槽を立ち上げる場合は、立ち上がるまで換水の必要がありません。
◎パイロットフィッシュとはなにか
水槽立ち上げ時に安くて丈夫な魚を入れて餌を与え、残り餌やフンなどの有機物により、アンモニア・亜硝酸塩(有毒)を発生させ、毒性の少ない硝酸塩に変わるまでの過程で、水槽に入れておく魚の事で、アンモニアや亜硝酸塩がなくなった時点が、「水ができた」と言い、その後、毒性の低い硝酸塩が増えて生きますので、硝酸塩が増えてきたら水換えや換水を行ないます。
よくパイロットフィッシュとして使われるのは、アカヒレが一般的です。
私は、安い魚であっても、命あるものですから、危険な目にあわせたくないと思っています。
パイロットフィッシュを入れての水槽立ち上げは、パイロットフィッシュとなる魚の命の危険があります。
よく、金魚すくいをしてきて、何も準備していない水槽へ水を入れ、せいぜい投げ込み式ろ過フィルターを入れ、そのまま飼育すると、毒性の強いアンモニアや亜硝酸塩が増え、ポツリポツリと☆になっていきます。
その後、ほどよく魚が減った辺りで、与える餌や糞の量も減り、水槽水もアンモニアや亜硝酸塩が減ってきて、1匹か2匹程度生き残るといった事をあなたも経験したことがありませんか?
この事は、飼いたい飼育魚がパイロットフィッシュになっていると言う事です。
これは、ろ過というものが分かっていないから起こる事で、ろ過を勉強していれば、水槽を立ち上げてから、あなたが飼育したい魚を入れるので、このような事は起きにくくなりますね。
ろ過が、よく分かっていない方は、下記リンクを参照してください。
ろ過について(カテゴリー)
◎複数の立ち上がった水槽を持っている場合の水槽立ち上げ
他の水槽でバクテリアが繁殖したろ過材を、新規立ち上げる水槽のろ過槽へ入れ、パイロットフィッシュを入れると、まったく硝化バクテリアが入っていない水槽より、早く立ち上げる事ができます。
以下の、「パイロットフィッシュを入れずに水槽を立ち上げるには」と同じ方法で、パイロットフィッシュを入れずに水槽を立ち上げる事もできます。
どんな方法で水槽を立ち上げる場合でも、飼育魚に対しての安全性を考えれば、硝化作用をあまり理解できていない方は、アンモニアと亜硝酸塩は、調べた方がいいと思います。
硝化作用を理解できている方は、亜硝酸塩だけ調べていれば大丈夫です。
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◎パイロットフィッシュを入れずに水槽を立ち上げるには
・新規で他に立ち上がった水槽がない場合
硝化バクテリアが増えるための有機物が必要になります。
バクテリアは、普通にあなたの部屋にもいます。
私が行なった方法は、他の水槽に使用している餌の一部を、立ち上げる水槽へ毎日入れながら、水質検査を行なう事でした。
別に飼育魚がいなければ、今後飼いたい飼育魚を水槽が立ち上がるまで我慢し、餌を購入しましょう。
今後飼いたい飼育魚の餌であれば、毒になるものは入っていないでしょうし、飼育魚を導入してからも与えるので無駄も無く、バクテリアの繁殖ができます。
アンモニアの検査薬は、特に必要ありませんが、今後の為にあなたがどうしても調べたいのであれば、購入すればいいと思います。
パイロットフィッシュを使わない水槽立ち上げで必要な検査薬は、亜硝酸塩の検査薬だけは、最低限必要です。
亜硝酸塩の検査を行なわなければ、あなたが飼いたい生物を入れていいかどうかの判断ができません。
pHは、飼育魚の種類によって適正値が違い、硝酸塩が溜まるとpHが下がります。
◎パイロットフィッシュを使わずに水槽立ち上げのセット時の水槽環境
(セット直後の水槽)
水槽
一般的な45cm水槽
45cmx30cmx30cm
容量 : 約40L
ろ過装置
エアーリフト式底面式ろ過器
ニッソー バイオフィルター45
(エアへポンプが必要)
底砂
(ろ過材)
粒の大きさ約1~2mmの川砂で、少し貝殻が混じっている
6kg 貝殻の酸処理なし
粒の大きさは、この実験で使用した底砂であって、5mm程度位まででしたら、ろ過材としての機能を果たしてくれます。
貝殻については、多少入っていてもほぼ問題ありませんが、若干pHや硬度が上がります。
水
水道水を水槽に溜め数日間エアレーションした物を使用
(塩素は抜け酸素が増えている)
別に上記のようなことをしなくても、普通に塩素を抜いた水でOKです。
酸素供給
エアーポンプとエアーストーンを使用
水温が高くなると溶存酸素が減るので、酸素不足解消と好気性バクテリアは酸素を必要とする為より多くの酸素の供給が目的
照明
蛍光灯20wx2を他の水槽と共用
タイマーにて1日8時間点灯
魚や水草を入れていないのに、光を当てる必要があるのかと思われる方もいらっしゃるでしょうから説明すると、一般的に言う好気ろ過の硝化バクテリアは、光が必要なためです。
添加物
バクテリアの素(現在販売されていない)
バクテリアの素は入れるつもりはなかったが、6月に水槽をセットしたため、これから暑くなるので早めに立ち上げたかったので使用。
バクテリアの素を入れなくても多少時間が掛かるだけ。
餌(有機物)
魚の餌が有機物であり、硝化バクテリアの餌にもなる。
水槽セット時~立ち上がるまで継続添加
立ち上がってからは飼育魚の種類や量の増減によって餌の量は変える。
・冷凍フレッシュ赤虫 毎日10匹程度
・冷凍ミジンコ 毎日30~50匹程度
・テトラ コリドラス 2日に1回1個
・テトラ プレコ 2日に1回1個
・小型熱帯魚用の顆粒状の餌毎日50粒程度
同じ餌でなくても、大丈夫です。
アクセ
サリー
流木 後日水草を入れます
水質・水温
亜硝酸塩0.3mg/㍑未満、
硝酸塩0mg/㍑、pH7.4
総硬度(GH)3、水温25℃
水温については、実際に飼育魚を飼う温度にしておくことで、飼育魚に適した温度の硝化バクテリアが増えます。
急に温度が変わると、硝化バクテリアに悪影響を及ぼしますので、注意してください。
水槽セット直後から水槽を立ち上がるまでと、立ち上がってから、レッドビーシュリンブを入れるまでの水質変化の経過は、下記リンクからご覧ください。
水槽立ち上げ後、生体導入してからの経過については、下記リンクからご覧ください。
パイロットフィッシュなしで水槽立ち上げVol.3生体導入後経過
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