- 投稿 2017/05/12
- 水槽を維持する為に行う作業や知識
熱帯魚やその他水生生物を飼育していると、通常屋内で飼育してされている場合、気温が上昇するたびに水温が気になりますね。
熱帯魚といえども、熱帯の気温ではなく、30℃以上になるような水の中に住んでいる訳ではありません。
建物の構造や材質・設置場所(同じ場所でも高さによる)・日当たり・通風性などさまざまな外的な要素によって、外気温より低かったり、外気温並みだったり、外気温より高かったりします。
外気温より高くなるようでしたら要注意ですので、夏場の暑さ対策はじゅうぶん行なってください。
写真は、冷却ファンを取り付け、扇風機で湿気や熱気が水槽付近に溜まらないよう扇風機で風を送っています。
蛍光灯は、リフトアップし、LED照明の水槽もあります。
安全を考えて、早くオールLED照明にしなければと思いつつ、水草水槽には蛍光灯の方がいいかも・・・。
特に、写真向かって右の60x45x45の60cmワイド水槽は、60cm用蛍光灯3灯+2灯なので、それに相当する水草にもいいLED照明に替えるとなると、相当数のLEDが必要なので発熱対策もしなければいけないし、何万円かかるだろうか・・・。
・アクアリウムにおける水温上昇対策を始める時期
・水槽の水温上昇を抑える為の対策
・水槽に設置したり対策する水温上昇抑制方法
などについて書いています。
白点病予防に、水温を25℃以上にすれば、白点病になりにくいとよく聞きますが、私の場合、主に小型熱帯魚やエビ類がほとんどで、ろ過は底砂を厚くした濾過能力が強力なエアーリフト式底面ろ過を使用しているので、病原菌よりバクテリアの方が圧倒的な勢力を持っています。
その為、病気にかかる可能性が非常に低いので、23.5℃~24℃位に通常時の温度設定をしています。
これ位に設定しておいた方が、冬はヒーターの電気代が安く、暑くなり水温が上昇してきても、元がやや低めなので、水量が多いほど水温が上昇しにくいので、飼育魚やバクテリアへの負担が少しでも少なくできるという、メリットがあります。
但し、熱帯魚の種類ごとに適温というものがあります。
各飼育魚の適温を知り、適温範囲の中心位を目標にし、できるだけ適温範囲から出ないように管理しましょう。
水温管理は、アクアリウムでは非常に重要です。
昔からの定番水温計です。私もこれがメイン。L・Mサイズもあります。
ニッソー 観賞魚用水温計 Sサイズ
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夏の昼にあなたがいなくても、何度まで上がったか分かる。
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日本動物薬品 ニチドウ マルチ水温計
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◎暑さ(水温上昇)対策を始める時期
夏の暑さ対策は、春気温の上昇に伴って始めましょう。
暑さ対策をしないと、水温が上昇し、飼育魚や水草はもちろん、有機物からアンモニア→亜硝酸→硝酸塩へと分解してくれるバクテリアにも、悪影響を与える事になってしまいます。
春といっても、日本列島は南北に長く、北海道と沖縄では気温がまるっきり違っていますし、都市部と山間部や地形によっても変わってきます。
暑さ対策をするタイミングとは、何を目安にすればいいかと言うと、水槽の水温があなたの設定温度より高くなる事がある時期をいいます。
設定温度にもよりますが、1℃2℃の上昇がたまにある位ならそう慌てる事はありませんが、最近は春でも夏並みに暑くなる事もあるので、早めに準備だけはしておきましょう。
私の目安は、設定水温よりたまに2度位上がると、日の入る窓にヨシズやスダレを掛け、遮熱(断熱)カーテンを閉め、冷やすための器具の準備を始めます。
設定水温より3度位度々上がるようになると、冷却ファンを稼動させ、扇風機で湿気が水槽付近に溜まらないようにします。
もっと水温が上昇するようになると、エアコンを使用することにしています。
エアコンを使用する場合、エアコンの温度設定によっては、逆サーモの付いていない冷却ファンを回していると、水温が下がりすぎる事がありますので、注意してください。
◎水槽の水温上昇を抑える為の対策
水槽水の高温対策で大切な事は、水槽を置いている部屋の気温が、あまり上がらない対策をするということをまず最初にしましょう。
建物にも色々ありますが、通常二階建ての場合一階と二階では、かなりの気温差があります。
下の階と最上階という意味ですが、最上階は太陽の熱の影響を一番受けやすいので、特に対策を入念にしましょう。
同じ部屋の中でも、日の当たる所を避ける事が大切です。
対策としては、日の当たる窓には、ヨシズやスダレを設置するか、遮熱(しゃねつ)断熱カーテンを取り付けると少しでも温度上昇を和らげる事ができます。
併用すればなおさら効果が期待できますね。
お勧めは、遮熱/断熱カーテンが、取り付けも簡単で効果も3℃位違ってきます。
私の部屋の普通のカーテンは、遮光断熱カーテンで、レースのカーテンは、断熱紫外線対策カーテンです。
涼しくなるカーテン 100×176cm 2枚組[クラレリビング 遮熱カーテン 断熱カーテン 紫外線対策 日差し対策 日よけ]
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◎水槽に設置したり対策する水温上昇抑制方法
・水槽のガラスやプラスチックなどの蓋をはずし、熱がこもらないようにします。
蓋をはずしたままですと、飼育魚の飛び出しが起こる可能性が高まりますので、魚が飛び出ない程度の網目のものを蓋の変わりに設置しましょう。
但し、水槽を置いている部屋の気温と水槽内の水量や水温との兼ね合いがありますので、細かい事を言えば、水温より気温の方が高い時は蓋を閉め、水温より気温が低い時蓋を開けるといいのですが、中々そこまでできないので、特に照明が蛍光灯の水槽は私の場合、暑い時期はガラス蓋を取り外し、網を張っています。
その水槽の環境によって対応するとよいでしょう。
冷却ファンを取り付けると、風の当たる部分にガラス蓋ができません。
飛び出し防止の対策をとらないと、写真のような事がおきます。
飛び出して干からびたグラス・ブラッドフィン
・蛍光灯を使用している場合は、かなり熱を出すのでリフトアップが必要になります。
蛍光灯をリフトアップ
・水槽用LED照明について
LED照明は蛍光灯と比べ、電気の光への交換率がよいので、熱をあまり発生させません。
その為、照明での水温上昇を蛍光灯より抑える事ができます。
アダプターを使用し12Vにするので、感電の可能性が低く安全性も高くなります。
但し、白だけのLEDでは、水草の成長はあまり期待できません。
赤や青のLEDが混ぜてあるものを使用しまょう。
カラーバランスよく赤と青を配合したLED 立体感も出て見た目も綺麗
白だけのLED 立体感が少なく見た目も綺麗とは言えない
赤が強すぎると、コケの成長にも繋がってきますので、バランスが大切です。
赤は、水草を成長させ大きくなる目的で、
青は、発芽を促し太くしっかりしたものにする目的で使用されます。
植物工場でも、赤や青も使われています。
水草をメインにしたような水槽であれば、現状販売されているLED照明では、満足できる光のものは、なかなか見つからないようです。
無い事は無いかもしれませんが、大きさにより、作れば数万円は確実にするでしょう。
何故そのような事が言えるかというと、私の知人が、電機設計の会社を経営していて、私が時々プロデュースして、製品を作ってもらっているからで、その会社は水耕栽培植物工場のLED照明の製作もしており、2004年5月ころから水槽用LED照明の開発を始め、2009年8月には、何度も実験をした結果、魚が綺麗に見えて水草もよく育つLED照明を作ってもらい、水草メインとは言えませんが、その後改良を重ねながら販売した事もあり、知り合いの熱帯魚店では「綺麗に見える」と好評だったのですが、数店舗での販売だけでした。
2012年頃販売していた60cmと30cm水槽用LED照明スリムタイプ(写真は保護パッケージのまま)
2009年頃はまだ時期が早すぎたようで水槽用LED照明をいかに安く作るかの方向へ各メーカーが走っていた時期で、色までの認知はあまり出来てなく、私の販売力も弱かったので、メーカーへは売れなかったという事がありましたが、一応の知識だけはあります。
現在製品化されている水槽用LED照明の中では、水草育成という面では高額になってしまうので蛍光灯には負けるので、本格的水草水槽にはお勧めできませんが、比較的安価なLED照明の中では、
GEX クリアLEDパワー3 600 60cm水槽用照明 が、お勧めです。
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現在製品化されている水槽用LED照明の中では、水草育成を目的に開発されたLED照明で、一般的LED照明より高価になりますが、初心者にとってこの性能でこの値段なら納得できます。
色温度:7200K 平均演色性:Ra93
全光束:3000lm(1000lm×3モジュール)
アクロ TRIANGLE LED GROW 600 3000lm Aqullo Series 60cm水槽用照明 ライト 熱帯魚 水草
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安全面を考えれば、蛍光灯は、もし水がかかると100Vですので感電の恐れもありますし、LED照明は、12Vで感電のリスクを下げ、電気を光に変える効率がよく、熱の発生が少なく節電にもなりますので、光にうるさい水草メインの水槽でなければ、よほどの事情がない限りなるべくLEDの照明にするようにしましょう。
阪神淡路大震災の時には、蛍光灯が100Vなのと、ヒーターが原因での火災もあったそうです。
その後、熱帯魚業界でも照明についてLED化が徐々に進められ、ヒーターも統一基準が設けられました。
LED照明の安全性や、ヒーターの統一基準については、
アクアリウム水槽の地震対策 の中に書いています。
・ろ過器にモーターが付いていないものをお勧めします。
水中にモーターがある場合、モーターの発する熱が多少水温上昇にも繋がります。
これは程度の問題で、大きい水槽に沢山の水が入っているところへ、大して熱を発しないモーターであれば、ほとんど問題ではありません。
小さい水槽に少量の水で、水中モーターは、熱の影響を受けやすくなります。
外掛けのモーターは、外側についていてほぼ問題ありません。