- 投稿 2016/11/13
- アクアリウムでのろ過について
物理ろ過とは何かとか、使用目的・ろ過器・ろ過材のメンテナンスなどを具体的に書いています。
(私が物理ろ過に主に使っているスポンジフィルター)
◎物理ろ過とはどんなものか
水中に浮遊するゴミを取り除くために設置するろ過のことであり、吸着ろ過や生物ろ過とは別のものです。
まず大きいゴミは、魚をすくう網や洗濯水のゴミを取る網(今はあまり見なくなった手ですくう網)などを使い、取り除いてやりましょう。
目で見る事はできるが、網ですくう事ができないような小さいゴミは、ろ過器にウールやスポンジを入れ、こし取るようにします。
◎物理ろ過の目的
一般的に、物理ろ過で取るゴミは、水槽の中にある有機物をこし取るのが、主な目的です。
水槽内で言う有機物とは、残り餌・飼育魚の糞・水草の切れ端などが主なもので、水槽中に有機物が沢山残っていれば、目詰まりや生物ろ過が追いつかなくなり、水質の悪化を招きますので、少しでも多くの有機物を取り除くことが、重要になってきます。
◎ろ過器でいえば
上部ろ過器の中に、ウールマットが入っていますね。
そこに、水が流れる事で、水中の細かいゴミを取ってくれます。
スポンジフィルターも細かいゴミをよく吸い取ってくれます。
その他にも、投げ込み式フィルターや外部ろ過・水中フィルターなど色々なろ過器に、メインあるいはサブ的に使用される事が多く、重要な役割を果たしています。
ウールやスポンジは、さまざまなろ過器に入れる事ができ、物理ろ過する事で有機物を減らし、生物ろ過の負担を減らす役目や水槽水の有機物による濁りを押さえる効果があります。
但し、流木のアクや魚病薬の色は、取れません。
(向かって左側のスポンジフィルターは、物理ろ過)
◎物理ろ過材のメンテナンス
物理ろ過に使用するウールやスポンジなどが汚れたり目詰まりを起こす前に、ろ過材を入れている水槽の水をバケツなどの器に汲み出し、その水でもみ洗いしましょう。
スポンジは汚れが溜まると、目詰まり状態になり水流が悪くなり、硬くなって物理ろ過としての機能を損ないます。
水道水には、塩素(カルキ)が入っていて、バクテリアが死んでしまいますので、水道水で洗ってはいけません。
物理ろ過が目的であっても、ろ過バクテリアはいくらかいますので、そのバクテリアを殺さないようにいくらかでも残すようにするためです。
スポンジフィルターは、ちゃんとメンテナンスしてやれば長期間使えますが、汚れていると栄養がたっぷりあるので、苔の一種である俗に言う「黒ヒゲ」が生えやすく、エビに食べてもらうか、それでも追いつかない場合は、手で取るようにしましょう。
エビに食べさせようと思っても、黒ヒゲは硬いのであまり食べてくれません。
その為、餌に飢えているエビを、かなりまとまった数入れなければなりません。
但し、エビの大きさや種類により、苔取り能力は変わります。
ヤマトヌマエビは、1匹あたりの苔取り能力が大きいので、少なくてもかまいませんが、ミナミヌマエビやビーシュリンプなどは、小型で苔取り能力が低いですが、数で苔を減らす事ができます。
ミナミヌマエビやビーシュリンプは、繁殖させることができるのでいいですね。
ヤマトヌマエビの繁殖は、できない事はありませんが、汽水水槽を作らなければならないので、手間が掛かり難しいです。
黒ヒゲは、水槽水の富栄養化や、動きの少ないものに生えやすく、水草の中でも成長の遅いもの程生えやすくなります。
(上が150~200匹居るレッドビーシュリンプ水槽へ黒ヒゲの生えたスポンジフィルター導入直後、下が5日後)
ろ過材がへたってきたり、本来の目的を達成出来ない状態になってきたら、交換しましょう。
物理ろ過だけでなく
物理ろ過と生物ろ過の併用
物理ろ過と吸着ろ過や生物ろ過の併用
をすると、より効果的です。
但し、吸着ろ過に関して言えば、吸着除去しなければならないものが水中になければ、必要ありません。