- 投稿 2016/12/10
- 通性嫌気性ろ過について
通性嫌気性ろ過(つうせいけんきせいろか)とは何かなどを具体的に書いています。
通性嫌気性ろ過は、生物ろ過の基本である好気ろ過の進化型というか、もう少し手を加えて応用と言った方がいいかもしれません。
ここでのお話は、淡水で実践した事を述べていますので、海水や汽水での飼育に向いているかは実践した事がないので分かりませんが、調べてみると海水でも通性嫌気性ろ過ができるようです。
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昔からある熱帯魚屋さんは、かなりの確立で、底面ろ過を使用しています。
但し、熱帯魚屋さんの場合、沢山の魚達を詰め込んでいるので、ろ過装置が安くろ過材が底砂なのでろ過材が多く、ろ過能力が高いですが、好気ろ過を目的にしている事が多いようです。
過密水槽で好気ろ過ということで、その分水換えの回数は多くなります。
(45cm以上の水槽は、通性嫌気性ろ過にしています。底砂厚8cm~10cm)
◎生物ろ過による通性嫌気ろ過とはどんなものか
水槽中にある有機物(残り餌・飼育魚の糞・水草の切れ端など)を硝化バクテリアの力で、好気ろ過(硝化作用)の、有機物→アンモニア→亜硝酸塩→硝酸塩の作用を経る事で、硝酸塩が残ります。
詳しくは、「アクアリウムでのろ過について」をご覧ください。
脱窒還元バクテリアの力で、通性嫌気ろ過(脱窒・還元作用)により、水換え・換水でしか減らす事ができない硝酸塩をバクテリアが窒素に変化させ、空気中に還元する作用を行ないます。
これを脱窒・還元作用といい、イメージ的には、自然界で山に降った水が有機物と共にろ過され、湧き水などとして地上に出て来る事を水槽で行なうろ過です。
水温は、23℃~26℃位が脱窒還元バクテリアに適しています。
私の場合、24℃に設定していますが、ろ過材となる底砂が厚くろ過バクテリアが多いので、病原菌が繁殖しにくく飼育魚達もほとんど、病気になりません。
通性嫌気ろ過の脱窒還元バクテリアは、水温が28度以上では注意が必要で、30℃以上では、活動できなくなり休眠状態になりますので、気をつけましょう。
30℃以上であれば、溶存酸素量もかなり減ってしまい、飼育魚達も酸素不足になってしまいます。
特にエビ類は、魚とは呼吸の仕方が違って、酸素の取り込みが下手な為、全滅もありますので注意が必要です。
(この水槽は、通性嫌気性ろ過ではなく、通常の好気ろ過です。夏の水質管理や水温管理を怠ると、レッドビーシュリンブが、このような事になりました)
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厳密にいえば、もっと色々なバクテリアが飼育水槽内に住む事になりますが、実際の飼育に当たり、バクテリアの種類や名前まで覚える必要はありません。
大きく分けて、
・酸素が十分で光も必要なもの
・比較的酸素や光を好むもの(好気ろ過の硝化バクテリア)
・多い量の酸素を嫌い暗い所を好むもの(通性嫌気ろ過の脱窒還元バクテリア)
・酸素があると死んでしまうもの
等があります。
バクテリア以外にも、インフゾリア(単細胞微生物群)は、有機物の初期分解をしてくれますので、水質浄化の助けになります。
通性嫌気性ろ過のろ過は、時間をかければ、あなたの家にいるバクテリアで、徐々に環境を作れるでしょうが、あまり効率的ではありません。
通性嫌気性バクテリアであれば、エバーグリーンさんの還元バクテリアが、お勧めです。
私も、通性嫌気性ろ過を始めた時から使用しています。
通性嫌気性ろ過についていろいろ知りたい方は、下記リンクからどうぞ。
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